立教での学びを胸に、ガザの子どもたちの支援を続ける
認定NPO法人 パレスチナ子どものキャンペーン 中村 哲也さん
2025/04/30
立教卒業生のWork & Life
OVERVIEW
コミュニティ福祉学部の卒業生で、認定NPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」で、現地で実行する支援プロジェクトの企画や活動の様子を日本で伝える仕事に従事している中村 哲也さんにお話を伺いました。
国際福祉に関心を持ったのは、大学入学前にテレビのドキュメンタリー番組で戦争に巻き込まれた子どもたちの姿を目にしたことがきっかけです。そこから、バングラデシュの支援に取り組んでいた岡田徹※1先生のフィールドスタディに参加したいと思い、立教大学のコミュニティ福祉学部に入学。在学中は、国内外で豊富な現場経験を持つ先生方から多くのことを学びました。課外活動では「アジア寺子屋※2」に所属し、長期休みを利用して、フィリピンの農村での国際協力?交流の活動を1年次から4年間続けました。支援するというより迎え入れてもらうような形でしたが、自分の立ち位置を謙虚に考えて行動する姿勢が身に付いたと感じます。

紛争地での支援に携わりたいという思いから、4年次に現在所属しているNPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」のボランティアに参加し、初めてパレスチナに行きました。その後、インターンシップとしてガザ地区での駐在を経験し、そのまま就職。現在の私の主な役割は、食料や衛生用品などの物資の配布といった、現地で実行する支援プロジェクトを企画すること、そして活動の様子を日本で伝えることです。それに加え、爆撃の恐怖の中でテント生活を送っている子どもたちが少しでもつらい思いを忘れられるような居場所づくりにも取り組んでいます。
活動の中で思い返すのは、立教の先生方から何度も言われた「受容と共感」という言葉。支援する対象は人間で、一人一人異なる背景を持っていて、この戦禍でさらに多くのものを失っているのです。だからこそ、できるだけ人々に寄り添った支援をしていきたいと考えています。飢餓にひんするガザの人々は、命をつなぐための食糧や水を本当に必要としています。
パレスチナ問題は非常に複雑で、現地に足を運んでも理解できないことが多くあります。ガザの同僚は「どうして世界は私たちを人間としてみてくれないのか」と語ります。皆さんには、苦難の中にある人たちのために、同時代に生きる私たちは何をすべきなのか、改めて考えてほしいです。社会をよくするために多くの方と手を取り合って活動できることを心から願っています。
活動の中で思い返すのは、立教の先生方から何度も言われた「受容と共感」という言葉。支援する対象は人間で、一人一人異なる背景を持っていて、この戦禍でさらに多くのものを失っているのです。だからこそ、できるだけ人々に寄り添った支援をしていきたいと考えています。飢餓にひんするガザの人々は、命をつなぐための食糧や水を本当に必要としています。
パレスチナ問題は非常に複雑で、現地に足を運んでも理解できないことが多くあります。ガザの同僚は「どうして世界は私たちを人間としてみてくれないのか」と語ります。皆さんには、苦難の中にある人たちのために、同時代に生きる私たちは何をすべきなのか、改めて考えてほしいです。社会をよくするために多くの方と手を取り合って活動できることを心から願っています。
※1 岡田徹:元コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科教授。
※2 アジア寺子屋:立教大学学生キリスト教団体の一つ。フィリピンの社会問題や歴史を学び異文化を理解することを目的に、フィリピンでホームステイを行う。
※2 アジア寺子屋:立教大学学生キリスト教団体の一つ。フィリピンの社会問題や歴史を学び異文化を理解することを目的に、フィリピンでホームステイを行う。
『立教大学校友会報 No.467』より抜粋しています。
インタビューの全文は、校友会Webサイトでご覧いただけます。
インタビューの全文は、校友会Webサイトでご覧いただけます。
※本記事は季刊「立教」271号(2025年2月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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プロフィール
PROFILE
中村 哲也さん
2005年コミュニティ福祉学部コミュニティ福祉学科(当時)卒業。在学中からパレスチナ支援に携わり、2011年からは駐在員としてガザ地区やエルサレムに約3年間滞在。現在は海外事業チーフとして、東京事務所で主にガザや西岸地区での事業運営を担当。